恋色ノート
𖦞
18時からシフトのわたしは、一旦部屋に戻って準備を整える。髪は巻いて、上でまとめて、メイクも忘れない。
周りがイレギュラーでも、自分がそのままならなにも問題ないはず。18時になって下に降りて僚くんに挨拶しようと事務所をのぞいてみる。
「おはよう、僚くん」
「おーおはよ。つか、もうすぐくんぞ。知ってるやつだといいな?」
「いや、知らなくていいから……」
口角を緩くあげて笑う僚くんに少し呆れるようにして、ホールに向かう。ホールっていってもそんな大きいカフェじゃないからキッチンと隣接してるようなもんだけど。
平日の夜はそこまで多くお客さんも来るわけじゃないし、ゆったりのんびり椅子の整理をしていれば、入口からカランとお客さんが来る合図がした。
いつもなら、カランに合わせて「いらっしゃいませ」と声をかける、のだけど。
──息が止まるかと思った。