くわばらくわばら! 私のバディは優しくない
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蒼麻は車から下りて、私のことを待っていた。
私に気づくと、頭を下げる。
「お疲れ様です」
蒼麻のほうも急いで大学から帰ってきたのだろう。
ロンTとカーゴパンツという、極めてカジュアルな格好をしている。
『どうぞ』と後部座席のドアを開け、私がきちんと乗ったのを確認してから閉める。
そうして、次に自分が運転席に乗り込む。
彼氏という存在からはほど遠い、きっちりとした立ち振る舞い。
彼氏だなんてとんでもない話だ。
機嫌の悪い私は、さっきからひと言も喋っていない。
蒼麻はそのことに気づいているのか、いないのか……
車はスムーズに発信した。
大学入学の直前に免許を取ったから、運転歴はまだ3カ月のはず。
初心者マークだって付けている。
それなのに上手いから、いちいち嫌になる。