くわばらくわばら! 私のバディは優しくない
周りの車の流れに乗ると、蒼麻は迎えに来た訳を説明し始める。
「隣の市で、猫の霊が現れたとのことです。場所が住宅街のため、早急の対応をお願いされています」
(霊かあ……)
ということは、よほどの悪霊でもない限り、容易に退魔できるはず。
厄介なのは、化け猫や猫又といった妖怪のほうなのだ。
(こんな簡単な仕事、本当は蒼麻ひとりでもいいんじゃないの? それなのに、私を同行させるために、わざわざ迎えに来ないといけないなんて……)
蒼麻の後頭部を見る。
(今どんな顔をしてる?)
想像しようとしたけれど、できなかった。
「ですので、家に直行して、手早く身支度を整えましょう」
その声は最後まで淡々としていた。