くわばらくわばら! 私のバディは優しくない
◻︎
──手早く身支度を整えましょう。
蒼麻は簡単に言ってのけてくれたものの、これがなかなかにツラい。
最近、外の気温は暑いくらいになってきたけれど、それでも!
自宅に戻った私は、荷物を置き、制服から白衣に着替える。
そうして、裏庭に向かう。
そこはうっそうとした山に面していて、その山から湧き出る水が、滝のようになって落ちてくる一画がある。
(ああ、ヤダヤダ……)
魔に魅入られないために、退魔に行く前の滝行が義務付けられている。
お風呂場の温水シャワーではダメなのだという。
この清らかな滝に打たれてこそ、身が清められるのだと。
『ええい!』と跳び入った。
「きゃああ! 冷たい! 寒い‼︎」
足をバタバタさせて、何とか我慢しようとしたものの、堪らず10秒で逃げ出した。
全身から水がボタボタと滴り落ちる。
(うん、これだけ濡れたんだから、邪気だって流れ切ったはず!)
だいたい、女の子は身体を冷やしてはいけないっていうのに、私はよくがんばったと思う。