くわばらくわばら! 私のバディは優しくない
それと……
「光音、干し桃は持ったか?」
蒼麻だ。
白衣に浅黄色の袴を着ていて、脇には刀。
白状すると、蒼麻はこの恰好のときにイケメン度が最も上がると思っている。
「今持った」
「持ちました、だろ。身を清めるときから時給は発生してる。労働時間中は、先輩に敬語を使うこと」
「くうう……」
(悔しい!)
でも、正論だ。
反論なんてできない。
しかも、後輩は後輩でも、私は役立たずな部類の後輩なのである。
蒼麻と私が組んでも、仕事を果たしているのはほぼ蒼麻ひとり。
にも拘らず、バイト代はちゃっかり頂いちゃっているという……
立場はめちゃくちゃ弱い。
「……桃も持ちました」
「よし。じゃあ、行くぞ」
「はい……」
私はしおしおと蒼麻のあとに続いて家を出た。