浮気調査を依頼した敏腕弁護士が、傷心の私を溺愛して離してくれません
私には最近、あんな顔してくれなかったのに。

胸の奥がぐちゃぐちゃになる。

苦しい。痛い。

涙が出るより先に、呼吸がうまくできなかった。

「……私、何が駄目だったんでしょう」

気づけば、そんな言葉が漏れていた。

もっと可愛ければよかった?

もっと気楽な女だったら?

考えが止まらない。

するとその時、日向先生が静かに口を開いた。

「あなたを裏切ったのは彼らです」

私は顔を上げる。

まっすぐな視線が私を見ていた。

「あなたの価値ではありません」

低く、静かな声。

でもその言葉だけが、不思議なくらい真っ直ぐ胸に届いた。

調査報告が終わったあとも、私はしばらく動けなかった。

テーブルの上には、まだ写真が置かれている。

隼太と加絵。寄り添って笑う二人。
< 12 / 45 >

この作品をシェア

pagetop