浮気調査を依頼した敏腕弁護士が、傷心の私を溺愛して離してくれません
その空気を気にする様子もなく、日向先生は落ち着いた動作で名刺を差し出した。

「弁護士の日向敬と言います」

隼太が困惑した顔で名刺を見る。

「……弁護士?」

「あなたの浮気調査を頼まれました」

空気が、一瞬で凍った。

隼太の顔色が変わる。

「は?」

日向先生は感情を交えないまま、封筒から写真を取り出した。

ホテル街で並んで歩く隼太と加絵。

寄り添う姿。笑い合う姿。

テーブルへ静かに置かれた写真を見た瞬間、隼太の表情が引きつる。

「……これ」

「継続的な不貞行為の証拠として十分な内容です」

日向先生の声はどこまでも冷静だった。

逃げ場を塞ぐみたいに。

隼太は私を見る。

「桃子、これ違――」

「言い訳はおすすめしません」

その言葉を遮ったのは、日向先生だった。
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