浮気調査を依頼した敏腕弁護士が、傷心の私を溺愛して離してくれません
でも現実だった。

隼太は急に私へ手を伸ばそうとする。

「桃子、俺、加絵とは別れるから」

私は反射的に身体を引いた。

すると隼太の顔が歪む。

「おまえだけなんだよ」

その言葉に、胸が苦しくなる。

だったらどうして。

どうして裏切ったの。

涙が滲みそうになった、その時。

「彼女を失ってから価値に気づく男は、愚かです」

低い声が静かに響いた。

日向先生だった。

感情的ではない。

でもその言葉には、冷たい怒りが滲んでいた。

隼太が苛立ったように舌打ちする。

「……関係ないだろ、あんた」

「あります」

日向先生は静かに言い切った。

「彼女は私の依頼人です」

その瞬間、不思議なくらい胸が熱くなる。

守られている。

そう感じてしまった。

日向先生は私の前に立つようにして、隼太を見据えた。

「これ以上、彼女を傷つけるなら、私が対応します」

静かな声だった。

なのに、その場で一番強かった。
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