浮気調査を依頼した敏腕弁護士が、傷心の私を溺愛して離してくれません
震える声が漏れる。

日向先生の胸に額が触れる。

スーツ越しなのに温かい。

大きな手が、ゆっくり髪を撫でる。

急かさない。

慰めすぎない。

ただ静かに抱きしめてくれる。

それが苦しいくらい優しかった。

「先生……今日は、家に帰りたくありません」

気づけばそんな言葉が零れていた。

一人になったら駄目な気がした。

部屋へ帰れば、隼太との思い出ばかり目に入る。

きっとまた泣いてしまう。

すると日向先生は、少しだけ私を見つめたあと静かに言った。

「だったら俺の家に来ればいい」

私は思わず顔を上げる。

「先生の?」

「弱っているあなたを放っておけません」

その声はいつも通り落ち着いているのに、どこか甘かった。

胸が苦しくなる。

私はこんなふうに、誰かへ頼っていいんだろうか。

迷っていると、日向先生が再び車を走らせる。
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