浮気調査を依頼した敏腕弁護士が、傷心の私を溺愛して離してくれません
静かな車内。

その時、不意に私の手へ温かなものが触れた。

驚いて見ると、日向先生が片手でハンドルを握ったまま、もう片方の手で私の指を包み込んでいた。

大きくて、温かい手。

私は息を呑む。

すると日向先生は前を向いたまま低く言った。

「いいですね。今日は俺に甘えて下さい」

その言葉に、また涙が滲みそうになる。

でも今度の涙は、少しだけ温かかった。

日向先生の家は、驚くほど静かだった。

高層マンションの一室。

無駄のないインテリアに、淡い間接照明。

生活感は薄いのに、不思議と冷たさは感じない。

「適当に座っていてください」

そう言って、日向先生はキッチンへ向かった。

私はソファへ腰を下ろし、ぼんやり部屋を見回す。

男の人の部屋に来るなんて、隼太以外では初めてだった。

なのに怖くない。
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