浮気調査を依頼した敏腕弁護士が、傷心の私を溺愛して離してくれません
声にならない声が漏れる。

でも敬さんは私の額へ触れながら、低く囁いた。

「止まらないから」

その声が甘すぎて、胸が震える。

次の瞬間、敬さんの熱が私を覆った。

「あ……っ」

思わず声が漏れる。

抱き締められるたび、心まで絡め取られていくみたいだった。

敬さんは私を見つめたまま、静かに笑う。

いつもの余裕なんてない。

ただ真っ直ぐ、私だけを求めている目。

「桃子」

名前を呼ばれるだけで涙が出そうになる。

こんなふうに求められたかった。

愛されたかった。

敬さんの唇が耳元へ触れる。

「桃子、これで俺のものだ」

その言葉に、私は目を閉じた。

もう、この人から離れられないと思った。
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