浮気調査を依頼した敏腕弁護士が、傷心の私を溺愛して離してくれません
「彼女は、あなたの元へ戻りません」

低い声が玄関へ響く。

隼太が眉をひそめた。

「……あんたには関係ないだろ」

「あります」

敬さんは一歩も引かない。

「彼女を傷つけた人間を、再び近づけるつもりはありません」

隼太が苛立ったように舌打ちする。

「桃子、こんな男に騙されてるだけだって。俺たち三年付き合ったんだぞ?」

その言葉に、私は小さく拳を握る。

三年。

確かに長かった。

でも、その三年の中で私はずっと“嫌われないように”頑張っていた。

本当の意味で、大事にされていたわけじゃない。

すると敬さんが静かに口を開く。

「あなたは彼女の愛情に甘えていただけです」

隼太の表情が固まる。

「失うまで気づかなかった」

淡々とした声。

でもその一言一言が鋭い。

「今さら取り戻せると思わないでください」

隼太が私を見る。
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