浮気調査を依頼した敏腕弁護士が、傷心の私を溺愛して離してくれません
会話をしていても、どこか気が散っている。

一緒にいるのに、隣にいないみたいだった。

その日の夜、隼太は私の部屋に来た。

「桃子ー、疲れたぁ」

いつも通り甘えるように後ろから抱きつかれて、胸が痛くなる。

優しい。本当に、優しいのだ。

コンビニで私の好きなスイーツを買ってきてくれるし、荷物だって自然に持ってくれる。

だから余計に分からなくなる。

浮気するような人には見えない。

「どうした?」

考え込んでいた私に、隼太が笑いながら顔を覗き込む。

「なんでもないよ」

反射的に笑ってしまう。

その時だった。

隼太のスマホが震えた。

一瞬だけ、隼太の表情が変わる。

そして彼は、私に見えないようにスマホを裏返した。

胸がざわつく。

「仕事?」

なるべく自然に聞いたつもりだった。

「あー、うん。会社の」
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