ジュリエット・イン・ワンダーランド
そのまま絆は泣き崩れた。



絆が失恋した翌日。絆の心はズシンと重かった。一睡もできないまま朝を迎えた絆の目は赤く腫れ上がり、どこか痛々しい。

「大丈夫なの?」

家族に心配されたものの、絆は制服に着替えて高校へと向かう。今日学校を休んだら、間違いなくあの男子が気まずくなると思ったのだ。

(失恋くらいでいつまでもクヨクヨしてられない……)

そう心の中で呟いてみたものの、絆の心が晴れることはなかった。

あの告白がなかったかのように、男子は絆に普通に接してくれた。それはありがたいことなのかもしれない。しかし、絆の胸に痛みが走っていく。

(本当に私のこと、意識してなかったんだ……)

何度も泣きそうになりながら放課後を迎えた。絆は演劇部に所属しており、今日は練習日である。

「そんな状態で大丈夫なの?」

友達に心配されたものの、絆は「行かなきゃ」とだけ答える。近々、高校演劇部の大会がある。絆はその劇で主役を演じることが決まっている。一日足りとも稽古を休むわけにはいかない。
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