同じ家なのに君は遠い
遥斗はゆっくり天音を見る。

真っ直ぐ。

逃がさないみたいな目。

「雪村」

名前を呼ばれる。

それだけで胸がいっぱいになる。

「……俺、お前のこと、たぶんかなり好き」

静かな声だった。

でも、その一言は天音の中にまっすぐ落ちてくる。

ずっと遠かったはずの距離が。

今、初めて崩れた気がした。
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