同じ家なのに君は遠い
分かっているのに、うまく言葉が出ない。

だって、好きだった。

とっくに。

気づかないふりをしていただけで。

でも。

「……怖いんです」

気づけば、そんな言葉が零れていた。

遥斗が少しだけ目を細める。

天音は俯いたまま続けた。

「今の関係、壊れたらどうしようって……」

同じ家。

毎日会う。

だからこそ、もし気まずくなったら逃げ場がない。

好きになればなるほど、不安だった。

すると遥斗が小さく息を吐く。

「壊さねぇよ」

低い声。

でも、その声は驚くほど真っ直ぐだった。
天音はゆっくり顔を上げる。
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