同じ家なのに君は遠い
家庭の事情。

その言葉だけで全部片づけられてしまったけれど、天音の中ではまだ整理がついていない。

母親の仕事の都合。

急に決まった同居生活。

親戚の家に預けられることになったこと。

全部が急すぎて、気持ちだけ置いていかれている感じがした。

小さく息を吐く。

逃げたいわけじゃない。

でも、不安じゃないと言ったら嘘になる。

天音は少しためらってから、インターホンを押した。

――ピンポーン。

静かな住宅街に音が響く。
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