同じ家なのに君は遠い
天音は小さく頷いた。

「ありがとうございます」

でも返事はない。

遥斗はもう前を向いていた。

“ここから先は自分でどうぞ”と言われているみたいだった。

天音はキャリーケースを引きながら階段を上がる。

階段は少しきしむ。

その音だけが家の中に響いて、余計に静けさを感じさせた。
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