同じ家なのに君は遠い
「からかってない」


低い声。


でもその声は、どこか柔らかかった。


夕焼けが道路を染める。


並ぶ影が少しだけ近い。


天音は隣を歩きながら、そっと息を吐く。


近いのに、まだ遠い。


でも、その距離が前より少しだけ変わってきていることを、もう気づかないふりはできなかった。
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