同じ家なのに君は遠い
第6章

近づくたび苦しくなる

最近。

“当たり前”が増えてきた。

朝、リビングへ行けば遥斗がいること。

放課後、「帰るぞ」と迎えに来ること。

隣を歩く距離。

ぶっきらぼうなのに、ちゃんと気づいてくれる優しさ。

最初は全部ぎこちなかったのに。

今はそれが自然になり始めている。

――だからこそ、苦しかった。

「雪村さん、最近楽しそうだよね」

昼休み。

友達にそう言われて、天音は思わず顔を上げた。

「え?」

「なんか前より笑うようになった」
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