わたし、まだ話してる。
帰り道、私はぼんやり窓の外を見ていた。

彼はタクシーの中で、楽しそうに話している。

私はふと、

“私、ずっと会話を成立させようとしてるな”

と思った。

誰かの話が途中で消えないように。

空気が散らからないように。

ちゃんとキャッチボールになるように。

でも彼は、その労力に気づいていない。
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