DEAR.-モテるとか聞いてない!-

こんな人数に話しかけられることが今までなかったため、内心ビクビクしていた。


「あのね、これを玲央くんの病室に飾ってほしいんだけど…いいかな?」


美怜ちゃんは大きな紙袋を渡してきた。

中を見ると、立派な千羽鶴が入っていた。


「…すごいね。こんな短期間で」

「玲央が休むってことはさ、相当だろ?なんつーか、マジで心配でさ。担任も脳腫瘍とか言ってたし。かなりやべぇんじゃねえかと思って、クラスで作った」


木本くんが説明してくれた。


「皆の想い、伝えておくね」


私は大事に紙袋を持って帰宅した。

着替えて自転車で病院へ向かう。


ベッド脇に千羽鶴をそっと飾る。

中学生のクオリティじゃないくらい、めちゃくちゃ綺麗。

ノック音が聞こえる。


「はい」

「内藤です」

「あ、先生」

「恋羽ちゃん来てたのね」

「クラスメイトから千羽鶴預かってきて」

「わあ、豪華」


先生も驚いていた。


「雅代先生…3日も、玲央眠ってますけど、大丈夫なんですか?」

「麻酔、普通なら術後数時間で醒めるのよ。でもたまに、こういう患者さんもいるの。なかなか醒めない。強い頭痛が続く。急に麻痺が起きる。意識が混濁する。痙攣を起こす。…とかは、危険サインだったりするの」

「じゃあ今の状況…その危険サインの1つ…?」


先生はゆっくり頷いた。


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