DEAR.
Ⅶ:光宗くん
新学期前日のことだった。
家のチャイムが鳴った。
出てみると、宮地くんだった。
「髙野、何日か泊めてくれないか」
スーツケースとボストンバッグを持っていた。
「…家出?」
「風呂とトイレのリフォーム」
「まあ、お母さんに聞いてみるから、ちょっと待ってて」
「うん」
私はリビングにいる母に、
「宮地くん、家の水周りのリフォームで家にいられないらしいの。しばらく泊まらせていいかな」
「玲央の友達?」
「そそ、ダンス部の仲間」
「いいんじゃない?」
「了解」
簡単に承諾を得た。
玄関に戻り、腕で丸を作った。
「お、ありがとう。お邪魔します」
きちんと靴を揃えて上がってきた。
結構礼儀正しいというか、しっかりしてる。
「いらっしゃい」
「宮地光宗と申します。玲央とは、いつもお世話になっております」
「結婚の挨拶じゃないんだから、いいのよそんなに」
母は笑っていた。
「玲央と宮地くんが結婚か…」
「BL展開やめろ、考えるな」
ビジュアルは最高だな、なんて妄想してみる。