DEAR.-中学生編-
「それで俺は告は…」
その時ノック音がする。
看護師さんだった。
「あー藤村さん。何かあったんですか?」
「詳しい検査結果出たって、内藤先生から伝言いただいたから来たのだけど、お母さんいらっしゃらない?」
「一時帰宅して、入院道具取りに行ってます」
「そうなのね。じゃあまた後でお母さん見かけたら来ますね」
「はーい」
さっき玲央は何を言いかけたんだろう。
それで俺は…。
そんなことを考えていたら、母が戻ってきた。
「うー、重たい」
「大丈夫?」
「っしょー」
母はテキパキと荷物を配置して、あっという間に片付けてしまった。
しばらくして、さっきの看護師さん、藤村さんがやって来た。
「どうしました?」
「検査結果の報告等で、内藤先生に呼ばれてまして」
「あー、なるほど」
母は少し沈んだ表情を見せた。
「別室までご案内します」
3人で藤村さんについて行く。
前を歩く玲央に、
「玲央…大丈夫?」
院内パジャマに点滴台を引いて歩く姿が、いかにも病人で、つい言ってしまった。
すると、振り向いて手を繋いできた。
これを驚かずして、何を驚けという話。
「ちょ…玲央っ…」
「歩くの少し大変なの」
胸が少し痛んだ。
私なんかが玲央と手を繋ぐことなんて滅多にできないことだし、この際何も言わないでおこう。
意外としっかりした大きな彼の掌を握っていると、嬉しくなる。