DEAR.-中学生編-

「それで俺は告は…」


その時ノック音がする。

看護師さんだった。


「あー藤村さん。何かあったんですか?」

「詳しい検査結果出たって、内藤先生から伝言いただいたから来たのだけど、お母さんいらっしゃらない?」

「一時帰宅して、入院道具取りに行ってます」

「そうなのね。じゃあまた後でお母さん見かけたら来ますね」

「はーい」


さっき玲央は何を言いかけたんだろう。

それで俺は…。

そんなことを考えていたら、母が戻ってきた。


「うー、重たい」

「大丈夫?」

「っしょー」


母はテキパキと荷物を配置して、あっという間に片付けてしまった。

しばらくして、さっきの看護師さん、藤村さんがやって来た。


「どうしました?」

「検査結果の報告等で、内藤先生に呼ばれてまして」

「あー、なるほど」


母は少し沈んだ表情を見せた。


「別室までご案内します」


3人で藤村さんについて行く。

前を歩く玲央に、


「玲央…大丈夫?」


院内パジャマに点滴台を引いて歩く姿が、いかにも病人で、つい言ってしまった。

すると、振り向いて手を繋いできた。

これを驚かずして、何を驚けという話。


「ちょ…玲央っ…」

「歩くの少し大変なの」


胸が少し痛んだ。

私なんかが玲央と手を繋ぐことなんて滅多にできないことだし、この際何も言わないでおこう。

意外としっかりした大きな彼の掌を握っていると、嬉しくなる。

< 6 / 72 >

この作品をシェア

pagetop