DEAR.-モテるとか聞いてない!-
「では、今後の治療の説明をしますね。資料取ってきます」
雅代先生は個室を出て行った。
「この後は内藤先生と2人で話すんでいいから、先に病室戻ってたら?」
玲央は私の手を離して、立ち上がった。
「行こっ、恋羽」
ニコリとした玲央を見て、ドキッとする。
「じゃ、行こっか」
私も立ち上がって病室へ向かった。
個室を出ると、当たり前のように手を繋がれる。
私の特別な気持ちが、まだ届きませんように。
いやでも、届いたらいいのに。
「どしたの?」
「へ?」
「急に握る力強めたから」
「え、あ…いや…」
完全無意識だった。
「俺は大丈夫だよ。恋羽から離れたりしない。ずっと一緒だよ」
病室に着いて、手を離す。
窓から外を見渡す。
6階なだけあって、見渡しは良い。
「天気良いね」
「お見合いで話すことないんじゃないんだからさ」
「まあ」
暫し沈黙。
「…元気になったら、ちゃんと言う」
「んー?」
「告白する」
胸がチクンと痛んだ。
さっき、私のこと守るとかなんとか言ってたのは…?
それは家族として?
私の、片想い…そりゃそうか、玲央は自分が血縁関係無いのを知らない。
「…頑張りなよ」
突き放すように冷たく言ってしまったような気がした。
その後は、何も2人とも口にしなかった。