浅生先生はもう恋をしないそうなので、私は今日も好きを伝える。
「えだちゃーん。」
終礼が終わると私は早速えだちゃんに声をかけた。
「ん?なんだ?」
教壇から降りようとしていたえだちゃんは私の声に反応をして振り向いた。
「進路調査書のことなんだけど…。」
「ん?どれ?」
「どこの大学に進学したらいいか選択肢が多すぎて分かんなくて〜…どんな風に調べたらいいの?」
私がそう尋ねると、えだちゃんは「んー。」と唸ってから、「そうだ。」と続けた。
「浅生先生が進路担当だし、浅生先生に相談してみて。」
えっ!?
浅生先生に相談!?!?
無理!!!
やだ!!!
私の胸中なんて知らないえだちゃんはそう言うと、ちょうどタイミングよく(悪く)廊下を通り過ぎようとした浅生先生を「あ、先生。」と呼び止めた。
浅生先生はえだちゃんに声を掛けられると、「はい?」と立ち止まってこちらへ来た。
自然と上がる心拍数を掻き消すように、私はやだ!こないで!と心の中で叫んだ。