想いはきっと痛くない
悩みつつも、文化祭前日となった。

明日はみんなが待ち望んだ文化祭当日。

一応休むかもとは言ったら、お父さんもお母さんも自由にしていいよと言ってくれたし、先生も無理はしなくていいということで許可は貰った。

まぁ、気が変わったら来てと言ってたし、悩みつつかな。

来ても教室は行かないかもしれないし。


「梓月」

「あ、藤堂くん」

「やっぱりここは静かだなー」

「保健室が煩かったら嫌でしょ」

「まあなー」


隙を見つけたのか、藤堂くんが顔を出した。

たしかに、彼がドアを開けた時、賑やかな声や音が響いていた。
でも、ドアを閉められるとその喧騒は少し消えた。

ドアって大事だなぁ。なんて呑気に考えた。


「今は? 何やってんの?」

「今はね、文化祭準備期間で特にやることないんだよね」

「あー、授業時間じゃないもんな」

「そういうこと」


だから、先生が気が向いたら作ってと言われて渡された折り紙を折っていた。

職員室とか立ち入り禁止のところに貼るのだとか。


「教室は?」

「んー、大盛り上がり。騒がしいってもんじゃないよ」

「楽しそうだねー」

「んー、そうだな」


……藤堂くんだとそんなに楽しくないか。

そうだよね、きっと私がいても私はきっと楽しくないし。

目の前の作った折り紙が揺れた。


「授業終わりまであと何分?」

「んー? あと、十分かな」

「じゃあ、藤堂くんも手伝ってよ」

「何? これ?」


彼が折り紙を指差す。


「そう、目標三十個だったんだけど、ちょっと足りなそうだから」


そういうと彼が可笑しそうに笑って「そんな作んの?」と言った。

ほんとは個数なんて言われてないけど、やるからには目標たてたくて勝手に私が決めただけだけど。
暇そうだし?


「いいじゃん! ね、手伝って?」

「いいけど、俺作れるか?」

「なんでもいいみたいだよ」


そういうと「じゃあ鶴でも作るか」と、折り紙に入った裏の作り方を見ながら作り始めた。

気分転換にもなるしね。
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