図書室のゴーストライター ~放課後の図書室で、私たちは世界を書き換える~

放課後の時間はもちろん、家に帰っても寝る間も惜しんで、私はただひたすらに書き、書いて、書き続けた。
一文字一文字に、溢れ出す感情と彼への感謝を込めて。

そして、いつも通りの静かな放課後。
西日が優しく差し込むいつもの図書室で、私たちの物語はついに最後の一行を刻んだ。


『で、できた……』


震える指で端末を操作し、完成原稿を保存する。
その瞬間、隣にいた蓮見くんが弾かれたように立ち上がった。


「やった! 完成したよ、ふうかちゃん……!!」


彼は、まるで自分のことのように、いえ、自分のこと以上に顔を輝かせて喜んでくれた。
その眩しい笑顔を見て、こらえていたものが一気に込み上げてくる。


誰よりも先に私の才能を見つけて、泥だらけだった私の言葉を磨き上げてくれた人。

スランプの暗闇から、強引に、けれどどこまでも優しく私を連れ戻してくれた人。
この作品の完成を、世界中の誰よりも喜んでくれる彼が隣にいることが、何よりも誇らしかった。


「本当に、最高の物語になったね。……頑張ったね、ふうかちゃん」


彼に頭を優しく撫でられ、私は涙を堪えながら何度も、何度も頷いた。
一万文字を超えるこの原稿は、私たちが共に戦い、寄り添い合った時間の証明だった。
< 31 / 39 >

この作品をシェア

pagetop