図書室のゴーストライター ~放課後の図書室で、私たちは世界を書き換える~
第6話:私のこれからと、君のこれから。
『……お久しぶりです、蓮見くん』
約束の放課後。一週間ぶりに足を踏み入れた図書室は、以前よりも少しだけ、特別な場所に感じられた。
「うん、久しぶり。……いよいよだね、ふうかちゃん」
『やめてください……。それを言われると、ますます緊張してしまいます』
心臓が、耳の奥まで響くような音を立てている。
そんな私の中を見透かしているかのように、
蓮見くんは図書室の静寂の中で、クスクスと楽しそうに喉を鳴らした。
前までの私なら、こんなに追い詰められている時に笑うなんて……と、意地になって怒っていたかもしれない。
でも、今はなんだか……。馬鹿にするような響きを一切持たないその笑い声が、こわばった私の心を解きほぐしてくれるようで、とても心地いい。
ひとりで戦っていた頃の孤独な緊張感とは、もう違う。
「二人で待つ」ということが、こんなにも心強いものだなんて、知らなかった。
「大丈夫だよ、ふうかちゃん。結果がどう転んでも、俺が一番に感想を伝えるって決めてるから」
窓から差し込む光を浴びて微笑む彼は、やっぱり少しだけ眩しすぎて。
私は熱くなる頬を隠すように、そっと自分のスマートフォンの画面に視線を落とした。