図書室のゴーストライター ~放課後の図書室で、私たちは世界を書き換える~
『じゃあ……見ますね』
「うん」
スマートフォンの画面が、微かに震える指先に熱を持って伝わってくる。
私は祈るような心地で、コンテストのトップページから「結果発表」のバナーをタップした。
どうか、悪い結果ではありませんように。
私たちの紡いできた時間が、ただの夢で終わりませんように。
画面が切り替わる一瞬が、永遠のように長く感じられた。
怖くてたまらず、思わず閉じてしまった目を、おそるおそる、数ミリずつ開いていく。
『え……っ……』
真っ先に、視界の真ん中に飛び込んできたもの。
それは、他のどの文字よりも力強く輝いて見えた。
【 優秀賞受賞:『夏の夜空』 涼風璃杏 】
一瞬、頭の中が真っ白に染まった。
「涼風璃杏」――紛れもなく、私のペンネームだ。
何度も何度も、あらすじを練り直し、セリフ一つひとつにまで魂を込めて書き上げた、あの物語が選ばれている。
視界がじわりと熱いもので滲み始める。
隣にいる彼の方を振り返ろうとしたけれど、声が出ない。
ただ、画面に映る自分の名前を指でなぞることしかできなかった