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21 雷獣

「あの……エドワードの持つ『加護』って、どういうものなの?」

 そもそも、今日の今日まで彼の事情も何も知らなかった私には、エドワードの持つ『加護』も、それがどういったものなのかもわからなかった。

 彼がこれから起こる何かを恐れていても、理由だって見当もつかない。けど……これから聞きたい事があれば、こうしてエドワード本人に直接聞けば良いんだわ。

 私はこれまでの一連の出来事でそれを学んでいたし、エドワードとの誤解が生じてしまった一番の原因になったと心から反省していた。

 決定的な何かが起こるまで、いつか彼が言い出してくれるだろうと思い、『結婚の約束は?』と、尋ねなかったこと。それに、エドワードが誰かから求婚されたからと、彼の意志をはっきりさせなかったこと。

 それが出来ていれば、事態がこじれることなんてなかったはずなのに。

「……うん。リゼルには、もっと早くにすべてを伝えれていれば良かったんだ。僕に加護を与えたのは『雷神』……そして、傍に居て守ってくれるのは、神の使い雷獣シルヴァン。ほら……リゼルに顔を見せてくれ」

 そして、腕を上げたエドワードの背中から、ひょこっと顔を覗かせたのは細長い真白な獣……つぶらな黒い瞳は大きく愛らしく、その姿からは神の使いと言われても想像つかない。

「まあ……とても可愛いわ……」

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