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03 儚い約束

 次の日。

 エドワードはいつものように、フォーセット男爵邸に午後一番から遊びに来た。

 図書室の隅にある陽が当たる彼のお気に入りの場所に座り、お父様がこの前に異国で新しく購入してきた本を開き真剣に読んでいるようだ。

 光を受け艶めく黒髪の下には、光彩が見えそうな印象的な黒い瞳。完璧に整った造形を持つ顔は真面目な表情を浮かべていた。

 そして、これまでの私ならば黙ったままで定位置の椅子に座り、時折、エドワードと他愛もない事を話しながら、ゆったりとした時間を過ごす。

 アイリーン様から求婚を受けたばかりのはずのエドワードは、にくらしいくらいに何も無かったようにいつも通りだった。

 ……私は兄から昨夜にあの話を聞いてから、眠れないほどに悩んだというのに。

「エドワード。来ていたの」

 私が声を掛けるとエドワードは開いていた本から視線を上げて、目を細めて微笑んだ。

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