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「リゼル。今日は機嫌が良いの?」

「……いいえ。どうして?」

 私の機嫌なんて……良い訳なんてあるはずがない。もしかしたら、彼はふざけているのかもしれないと、この時私は少し思った。

 エドワードは開いていた本を持って立ち上がり、私に向かってゆっくりと近付いて来た。

「僕に君から声を掛けてくれただろう? いつもは僕が何か話掛けるまで、何も言わないのに。珍しいと思った」

 私がいつもそうしていたのは、真剣に本を読むエドワードの邪魔してはいけないと思っていたからだ。

 彼は図書室にある小さな階段を降りて、真ん中にある大きな四角い机の近くに立ち尽くす私に顔を近づけた。

 不意にそんなことをされたので、私は反射的に顔を引き、エドワードはそんな戸惑った様子を見て楽しんでいた。

「……そうだったかしら?」

 わざとらしく視線を逸らし顔を背けた私に、エドワードは一歩近付いた。

「そうそう。何か嬉しいことでもあったの? ……ああ。高価な毛糸のおねだりなら、聞けないよ。君にはもう編みぐるみに関する物を二度と与えるなって、何度も言われていて、スチューに叱られるからね」

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