令嬢ランキング、一位になってみせます!
 ……私が投げる力では、彼らの元まで届かないのだ。

「どうしようかしら……欲しがってくれる、子どもにも配ってあげたいわ」

 その時に、かすかに耳に誰かが私を呼んだように思えた。なんだか不思議に思って、高い建物を見上げると、そこには白猫の仮面を被ったレヴィンが立って居た。

 背の高い男性であるだけなら彼だとはわからないと思うけれど、猫の仮面を被って町中に居る人はそうそう居ない。

 今思えば新年や折々の機会にバルコニーで挨拶をして、顔を見知った国民も多いだろうから、それを避けるためにそうしていたのだろう。

 私の周囲には風がふんわりと巻き起こり、編みぐるみは不思議な力で浮き上がった。

 あの……レヴィンが持つ加護は確か、風の神様!

 それから、私の投げる編みぐるみは不思議な力で、私が届きたい場所にまで届いた。

 ……凄い。加護を持っているって、こういう事なんだ。

 私が感動して彼を見上げると、もうそこにはレヴィンの姿はなかった。

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