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「ああ。私が気にしない方が、おかしかったのね……だって、父も兄も不在の時に、異性が私一人だと知りつつ邸にやって来るなんて、私の婚約者でもないのにおかしいわよね。どうして、もっと早く気がつかなかったのかしら……さぁ、早く出て行って!」

 怒った私の勢いに完全に呑まれたエドワードは、じりじりと一歩ずつ後退して、やがて図書室の扉付近にまで辿り着いた。

 室内に居る私たちは、未婚の男女。当然のように図書室の扉は大きく開け放たれて、エドワードは部屋の外まで後退した。

「リゼルっ、僕の話っ」

 ここまで来たら、一旦は追い出されるしかないと思ったのか、必死の形相になったエドワードの顔を見て、私は冷静に彼の胸に両手を当てて押し出した。

 ……そうね。お兄様の言うとおりだわ。

 こんな必死になっている時だとしても、エドワードの容姿が良い事には変わらない。沢山の魅力的な要素を持つエドワードは余裕ある選ぶ側、対して私は誰にも選んで貰えていない側。

 こんなにも格差のある男女に、お互い対等でないと成立しない恋愛なんて、芽生えるはずもなかった。

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