令嬢ランキング、一位になってみせます!
 エドワードはどうやら連れて来たグレイグ家の従者に何事か話しかけられ、チッと大袈裟に舌打ちをした。

「リゼル。僕が悪かったから。謝るから。とにかく、今は行かなければならない時間で……また話そう」

「早く帰ってって、何度も言っているでしょう!」

 何を謝るの。私の方には、もう話すことなんてない。

 エドワードはアイリーン様と、思う存分親交を深めれば良いのだわ。

「……ごめん」

 エドワードは一言だけ謝って、廊下を歩き去って行ったようだ。どんどん遠くなっていく足音に、物足りないような、ほっと安心したような……不思議な気分になった。

 ……ええ。さようなら。エドワード。

 私は幼い頃から、結婚すると思っていた人……ううん。単に思い込んでいた人との関係を、今日ここで終わらせた。

 長い間、私はエドワードと結婚するから何も心配要らないんだと思っていたけれど、それは私にとって都合の良い実のない幻想でしかなかった。

 美しく教養に溢れ社交界の華として賞賛される、あのアイリーン様に何の努力もしていない私が敵うはずがない。

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