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 立ち去って行く彼女たちのドレスは、確かに華やかで美しくて……それに、髪型も流行の形に結われていた。化粧(メイク)だってケバケバしい派手な印象になることなく品良く施されている。

 対する私は、化粧もろくにしていない。したとしても、大きな眼鏡が邪魔して、ほとんど見えないかもしれないけれど……。

 ……ああして、外見が少しでも良く見えるように努力している彼女たちに対し、私は確かに努力を怠っていた。

 そう気がついてしまうと、今着ているドレスだったり髪型だったりがなんだか恥ずかしく思えて、書類を胸に抱えて慌てて早足で移動することにした。

 趣味の編みぐるみに没頭する世界に居られれば、誰にも何も言われない。誰も私を傷つけない。幼馴染みの公爵令息と結婚するのだろうと、淡い未来を夢見ていられて何も努力しなくて良い優しい世界に居られた。

 ……けれど、もう今は違う。エドワードは私と違う誰かと結婚するし、狭い世界で夢見て居られない。

 人通りの少ない廊下にまで移動すると、私は今着ている薄い茶色のドレスの裾を指で摘まんだ。

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