令嬢ランキング、一位になってみせます!
 ……けれど、流石にここまでして貰う訳にはいかないと思った。

 だって、レヴィンにはさっき会ったばかりで助けてもらって、ついでとは言え道案内してくれて……しかも、こんなに高額なお金を出してもらうなんて。

 なんだか絶対、何か裏がありそうで……。

「おそらく、リゼルにとっては高額なんだろうが、僕にはそれほどでもない。それに、この魔法具は完全に趣味で、本業は別にあるから気にしないで」

 余裕を感じさせるレヴィンは私には到底思いつかないくらいに、とてつもないお金持ちなのかもしれない。

「決められた金さえ入れば、儂は問題ない。お嬢さん、どうする?」

「レヴィン……本当に、良いの?」

「うん。良いよ。俺は一度出すと言った金を引っ込めるような浅ましい人間性は、持ち合わせていない」

 仮面の男、レヴィンは絶対、怪しい。怪しいけど、私は眼鏡は絶対、外したい……悩みに悩んだ無言の間も、二人は気を使ってくれたのか、言葉を何も発さなかった。

 心の中にある天秤は、何度も何度も大きく左右に振れた。

 怪しい人物には借りを作るべきではない。けれど、絶対に『令嬢ランキング』で上位に入りたい。
< 57 / 194 >

この作品をシェア

pagetop