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 私から真正面から見えたエドワードの顔は、何故だかひどく悲しそうだった。傷付けられたかのように項垂れ、感情を押し殺した低い声で言った。

「リゼル。ごめん。冷静に話せそうもないから、ここは出直すよ。レヴィン殿下。失礼します」

 エドワードはいつも余裕ある彼らしくなく、気に入らない態度を隠さずに去って行った。

 黒い背中がだんだんと遠ざかって行く……さっきの悲しそうな表情が、どうしても気になってしまう。

 ……けど、ここで私が追い掛けて、その後どうなるの? 違う人と結婚する人になんて、何も話すことなんて、ないのに。

「リゼルはエドワードと、知り合いだったんだね」

 エドワードの背中を視線で追っていた私は、レヴィンの声を聞いて、慌てて顔を上げた。

 ……そうだ。さっき、エドワードはこの人の事を、何って呼んだの?

「あ。レヴィン……殿下?」

 エドワードが彼を呼んだ敬称には、私も驚いた。レヴィンは身分の高い男性だろうと、あの時も思っては居たけれど……。

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