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 キャスティンは見るからに気分を害した表情になっていたし、私が努力しようとしたのは私の勝手だし、彼女が遠く思えるようになるのも、別に悪いことではない。

 だと言うのに、こんなトゲのあるような言葉を言ってしまうなんて……。

「悪い。今は俺がリゼルと喧嘩していて、機嫌が悪いんだ」

「まあ……グレイグ様。ごきげんよう」

 キャスティンはぎこちない笑みを浮かべて、突然現れたエドワードに挨拶をした。

 エドワードはキャスティンとフォーセット男爵邸で何度か会っていたし、私と仲が良いことも知って居る。

 エドワードは私と喧嘩する前とは、変わらない様子だった。私にも何事もなかったようにして笑みを浮かべて目で挨拶し、キャスティンには自分が心底悪かったんだというような表情を向けていた。

「……いえ。大丈夫です。そういう時は、誰しもあると思いますわ。リゼル。私は用があるから、これで」

「えっ……ええ。キャスティン。またね」

 キャスティンは手を振って別れ、私はエドワードと二人になった。

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