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 そして、私は兄が言った言葉の意味を考えていた。そういえば、エドワードは今夜だって私の事を見ていた。そして、彼が近づいて来ようとした事を察したから私は逃げるように帰った。

 いつまでも、現実から逃げ続けていられないことは、私自身だってわかっていた。

 けれど、どうしても……持ってはいけない希望を、持ってしまいそうになる。

 エドワードが幼い頃に結婚の約束をした幼馴染の私を捨てて、何もかもを兼ね備えたアイリーン様と結婚するのなら、どうしてここまでしてくれるのだろう。

 もし……ここでそんな希望を持ってしまって、再度潰えてしまったら?

 心が壊れてしまう……それが、ただ怖かった。

 エドワードはとても優しい。

 私との関係に納得出来るまで話をして、それが解決してから、アイリーン様との事を進めようとしてくれているだけなのかもしれない。

 少し前までの私のように、家に篭もってただ編みぐるみ作りに没頭していれば、怖いことも苦しいことも何も起こらなかった。

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