隣の席の悪魔【旧版】
春休み
三年生への進級を
目前に控えた、
春休みの昼。
私はコンビニで飲み物を持って、
レジへ向かっていた。
切ったばかりの髪が、
まだ少し落ち着かない。
歩くたび、
毛先がくるんと揺れる。
私は何度目か分からないくらい、
髪を耳にかけた。
その時。
自動ドアから、
風。
ベルの音。
「……星野?」
ドアの方向から聞こえる、
聞き慣れた声。
振り向く。
「あれ?空くんだ」
Tシャツ。
眠そうな顔。
その瞬間。
ぴたり。
空くんの視線が止まる。
「……髪」
え。
私は思わず毛先を触る。
「切ったの!
心機一転!」
空くんは、
少しだけ目を細めた。
そのまま。
ぽつり。
「……星野っぽい」
え。
私は思わず瞬きをする。
「なにそれ」
空くんは、
普通の顔。
「別に」
「それって似合うってこと?」
その瞬間。
空くんが、
少しだけ視線を逸らした。
耳。
ちょっと赤い。
「……うるさい」
私は思わず吹き出した。
「へへ」
もう一度、
髪を耳にかける。
「空くん、
なんでいるの?」
「暇だから」
「暇なの!?」
私はぱっと笑った。
「じゃあちょっと付き合ってよ!」
空くんが、
目を細める。
「何」
「買い物!」
私はコンビニ袋を揺らしながら、
にやっと笑った。
「色々新調したいの!
三年生だし!受験だし!」
すると。
空くんが、
小さくため息をつく。
「……なんで俺」
「楽しいから!」
即答。
空くんは、
やれやれって顔をした。
そのあと。
「……少しだけ」
ちゃんと、
私の隣を歩き出す。
目前に控えた、
春休みの昼。
私はコンビニで飲み物を持って、
レジへ向かっていた。
切ったばかりの髪が、
まだ少し落ち着かない。
歩くたび、
毛先がくるんと揺れる。
私は何度目か分からないくらい、
髪を耳にかけた。
その時。
自動ドアから、
風。
ベルの音。
「……星野?」
ドアの方向から聞こえる、
聞き慣れた声。
振り向く。
「あれ?空くんだ」
Tシャツ。
眠そうな顔。
その瞬間。
ぴたり。
空くんの視線が止まる。
「……髪」
え。
私は思わず毛先を触る。
「切ったの!
心機一転!」
空くんは、
少しだけ目を細めた。
そのまま。
ぽつり。
「……星野っぽい」
え。
私は思わず瞬きをする。
「なにそれ」
空くんは、
普通の顔。
「別に」
「それって似合うってこと?」
その瞬間。
空くんが、
少しだけ視線を逸らした。
耳。
ちょっと赤い。
「……うるさい」
私は思わず吹き出した。
「へへ」
もう一度、
髪を耳にかける。
「空くん、
なんでいるの?」
「暇だから」
「暇なの!?」
私はぱっと笑った。
「じゃあちょっと付き合ってよ!」
空くんが、
目を細める。
「何」
「買い物!」
私はコンビニ袋を揺らしながら、
にやっと笑った。
「色々新調したいの!
三年生だし!受験だし!」
すると。
空くんが、
小さくため息をつく。
「……なんで俺」
「楽しいから!」
即答。
空くんは、
やれやれって顔をした。
そのあと。
「……少しだけ」
ちゃんと、
私の隣を歩き出す。