隣の席の悪魔【旧版】
◇
祭り会場へ近づくにつれて、
人が増えていく。
屋台。
笑い声。
提灯。
夏の匂い。
人混みに押されながら、
私は必死に前を見る。
その時。
女子のひとりが、
振り返って笑った。
「つむぎ、
もう迷子にならないでよー?」
修学旅行のことだ。
「大丈夫!!」
私は胸を張る。
「今日は絶対はぐれない!」
すると。
葛西くんが、
呆れたみたいに笑った。
「空、
ちゃんと見とけよ」
「なんで俺だよ」
「保護者だろ」
「違う」
空くんは、
小さくため息をつく。
その時。
ぐいっ。
何かが、
私の手へ押し込まれた。
「え?」
見ると。
空くんのタオル。
「これ掴んどけ」
「えー?」
「お前、
すぐ消える」
失礼。
でも。
私は素直に、
タオルの端を握った。
すると。
空くんが、
少しだけ歩き出す。
私はその後ろを、
引っ張られるみたいについて行った。
なんか。
ちょっと犬みたいで、
悔しい。
祭り会場へ近づくにつれて、
人が増えていく。
屋台。
笑い声。
提灯。
夏の匂い。
人混みに押されながら、
私は必死に前を見る。
その時。
女子のひとりが、
振り返って笑った。
「つむぎ、
もう迷子にならないでよー?」
修学旅行のことだ。
「大丈夫!!」
私は胸を張る。
「今日は絶対はぐれない!」
すると。
葛西くんが、
呆れたみたいに笑った。
「空、
ちゃんと見とけよ」
「なんで俺だよ」
「保護者だろ」
「違う」
空くんは、
小さくため息をつく。
その時。
ぐいっ。
何かが、
私の手へ押し込まれた。
「え?」
見ると。
空くんのタオル。
「これ掴んどけ」
「えー?」
「お前、
すぐ消える」
失礼。
でも。
私は素直に、
タオルの端を握った。
すると。
空くんが、
少しだけ歩き出す。
私はその後ろを、
引っ張られるみたいについて行った。
なんか。
ちょっと犬みたいで、
悔しい。