隣の席の悪魔【旧版】


ガラッ。

教室のドアが開く。

その瞬間。

私は反射で顔を上げた。

空くん。

いつもの顔。

でも。

なんか。

少しだけ疲れてる。

空くんが、
隣に座る。

私は黙ったまま、
その様子を見ていた。

空くんは数秒黙って。

そして。

小さく言った。

「……受かった」

その瞬間。

胸がいっぱいになる。

「ほんと!?」

「ん」

私は思わず笑った。

「すごい!!」

嬉しい。

すごく嬉しい。

なのに。

胸の奥が、
ほんの少し痛かった。

だって。

本当に行っちゃうんだ。

県外。

遠くの高校。

もう。

一緒に走れない。

その時。

空くんが、
少しだけ目を細める。

「……なんでそんな顔」

はっとして、
私は慌てて笑った。

「嬉しいから!」

空くんは、
黙ったまま視線を逸らす。

何も言わずに、
窓の外を見ていた。
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