隣の席の悪魔【旧版】


昼休み。

空くんの周りには、
人が集まっていた。

「空すげー!」

「おめでと!」

楽しそうな声。

私は少し離れた場所から、
ぼんやりそれを見ていた。

その時。

「星野」

低い声。

顔を上げる。

空くん。

いつの間にか、
目の前にいた。

「……なに逃げてんの」

「逃げてないし」

「嘘」

短い声。

見透かされてる。

私は思わず視線を逸らした。

その時。

空くんが、
ぽつり。

「今日走る?」

え。

私は瞬きをする。

「今日?」

「ん」

その声が。

なんか。

いつもより優しかった。
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