隣の席の悪魔【旧版】


結果。

空くん。

普通に一位だった。

「なんかさぁ」

私はスポーツドリンクを飲みながら、
むすっと口を尖らせる。

「苦しい時に、
私の応援思い出して頑張る、
みたいなのは?」

「なに?」

「はぁ。
こっちの話」

応援で元気づけられたの、
私だけってのがムカつく。

その時。

空くんが、
ぽつりと言った。

「……走っといて、
よかったよ」

「え?」

私は顔を上げる。

空くん。

少しだけ笑ってる。

汗。

風。

入道雲。

もう九月なのに、
夏みたいに真っ青な空。

――ああ。

たぶん今日のこと、
私、ずっと覚えてる。
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