隣の席の悪魔【旧版】

冬のコンビニ

十二月。

吐く息が、
白くなり始めた。

放課後。

校門を出た瞬間。

「さっっむ!!」

私は思わず肩を縮めた。

風。

冷たい。

冬って急に来る。

「うるさい」

隣の空くんは、
ネックウォーマーに顔を埋めたまま、
普通に歩いてる。

なんなのこの人。

寒くないの?

「空くんほんと平気なの!?」

「寒い」

「絶対嘘!」

あんまり寒いから、
放課後のランニングは、
暖かくなるまで休憩。

私は手を擦り合わせながら、
空を見上げた。

冬の空。

まだ夕方なのに、
かなり暗い。

その時。

「……星野」

「ん?」

空くんが、
ちらっとこっちを見る。

「手」

「え?」

「真っ赤」

私は自分の手を見る。

ほんとだ。

冷えすぎ。

私はそのまま、
ふらっと自販機の前で立ち止まった。

「あったかいコーンポタージュ飲みたい……」

「帰ったら飯だろ」

「甘いものは別腹」

「便利な腹してんな」

むっ。

その時。

空くんが、
少しだけ視線を逸らした。

そして。

「……寄る?」

「え?」

「コンビニ」

私は一瞬で顔を上げた。

「行く!!!」

「声でか」

空くんは、
小さく笑ってる。
< 39 / 150 >

この作品をシェア

pagetop