隣の席の悪魔【旧版】


コンビニ。

あったかい。

生き返る。

「はぁぁぁぁ……」

私は暖房の前で、
思わずため息をついた。

「おばあちゃんか」

「むかつくー!」

「ふん」

私はレジ横を見る。

そして。

「あっ」

肉まん。

湯気。

「あったかそう……」

空くんが、
少しだけこっちを見て、
小さくため息をついた。

そして。

そのままレジへ向かう。

……え?

不思議そうに見ている私の手の中へ、
ぽいっと熱いものが置かれた。

「え」

肉まん。

「……肉まん」

「寒いってうるさいから」

……絶対、
照れてる。

私は思わず笑った。

「ありがと!!!」

勢いよく袋を開ける。

湯気。

幸せ。

「いただきま――あつ!!!!」

思いっきり口を押さえた。

熱っ。

熱すぎ。

涙出る。

「ふーっ、ふーっ……」

「……何してんの」

「冷ましてる!」

「子どもかよ」

「舌なくなるよりマシ!!」

その瞬間。

ふっ。

空くんが吹き出した。

え。

今。

めっちゃ笑った。

「空くん今笑った!!!」

「笑ってない」

「絶対笑った!!」

「うるさい」

その時。

「あっ」

熱さで持ち替えた肉まんが、
手から滑りそうになる。

ぐらっ。

終わった。

落ちる――

と思った瞬間。

すっ。

空くんが片手で受け止めた。

「……危な」

「空くん神!!!」

「大袈裟」
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