隣の席の悪魔【旧版】


「……あれ?」

トイレを出た瞬間。

みんないない。

え。

私はきょろきょろ辺りを見回す。

人。

人。

人。

しかも。

みんな背高い。

見えない。

「うそ……」

私は慌てて歩き出した。

でも。

どこも似た景色。

人も多い。

やば。

完全に分かんなくなった。

その時。

人混みに押される。

「わっ」

前が全然見えない。

背が低いって、
こういう時ほんと嫌。

私は人の間をくぐり抜けながら、
必死に辺りを見回した。

その時。

「星野さん?」

後ろから声をかけられて、
振り向く。

別班の男子だった。

「どうした?」

「ちょ、ちょっと迷って……」

うわ。

恥ずかしい。

その瞬間。

男子が苦笑いする。

「誰と一緒?
探す?」

私は小さく頷いた。
< 49 / 150 >

この作品をシェア

pagetop