隣の席の悪魔【旧版】
◇
文化祭終わりの校庭。
空は、
夕焼けと夜の間みたいな色をしていた。
オレンジ。
紫。
少しずつ夜になっていく空。
あの絵と、
同じ。
風が吹く。
静かなグラウンド。
私は走りながら、
少しだけ口を尖らせる。
「……カラオケ、
行かなくてよかったの……?」
私は前を向いたまま、
小さく続ける。
「走る約束してたせいで、
断ったんだよね?」
すると。
空くんは、
少しだけ眉を寄せた。
「俺がそうしたかったから、
断った」
え。
空くんは、
前を向いたまま続ける。
「……こっちの方が、いい」
あまりにも普通の声。
だから余計、
心臓が跳ねる。
私は思わず、
走りながら視線を逸らした。
熱い。
「……そっか」
やっとそれだけ返す。
その時。
「……だから」
「え?」
空くんが、
少しだけこっちを覗き込む。
近い。
「機嫌直せ」
なんなの。
この人。
私は慌てて前を見る。
「し、知らない!!」
走る速度を上げる。
「逃げんな」
後ろから、
少し笑う声。
悔しい。
でも。
嬉しい。
その時。
ふと空を見上げる。
オレンジと紫が混ざる空。
あの日、
描いた空と同じ色。
風。
静かな校庭。
隣を走る空くん。
夕方と夜の間。
私は、
この時間が好きだ。
文化祭終わりの校庭。
空は、
夕焼けと夜の間みたいな色をしていた。
オレンジ。
紫。
少しずつ夜になっていく空。
あの絵と、
同じ。
風が吹く。
静かなグラウンド。
私は走りながら、
少しだけ口を尖らせる。
「……カラオケ、
行かなくてよかったの……?」
私は前を向いたまま、
小さく続ける。
「走る約束してたせいで、
断ったんだよね?」
すると。
空くんは、
少しだけ眉を寄せた。
「俺がそうしたかったから、
断った」
え。
空くんは、
前を向いたまま続ける。
「……こっちの方が、いい」
あまりにも普通の声。
だから余計、
心臓が跳ねる。
私は思わず、
走りながら視線を逸らした。
熱い。
「……そっか」
やっとそれだけ返す。
その時。
「……だから」
「え?」
空くんが、
少しだけこっちを覗き込む。
近い。
「機嫌直せ」
なんなの。
この人。
私は慌てて前を見る。
「し、知らない!!」
走る速度を上げる。
「逃げんな」
後ろから、
少し笑う声。
悔しい。
でも。
嬉しい。
その時。
ふと空を見上げる。
オレンジと紫が混ざる空。
あの日、
描いた空と同じ色。
風。
静かな校庭。
隣を走る空くん。
夕方と夜の間。
私は、
この時間が好きだ。